神学の学びを自らの生き方と重ね合わせる

神学部長 川中 仁

神学部では、キリスト教の教義を学ぶばかりではなく、キリスト教の美術や文学などの文化的なものや現代社会の諸問題にキリスト教的視点から取り組みます。実際、国際政治から文化まで、キリスト教が関わる分野は多岐にわたるため、キリスト教の知識を持つことは大きな助けとなります。

また、本学部では、机上の学びとともに、人とのかかわりの中で学ぶことも大切にしています。1学年50人という少人数の学部だからこそ築くことのできる密な人間関係は、自身の内面を大きく成長させる機会となります。学部での勉学と生活、この二つを基礎にすえながら、学部の枠を越えた勉学や課外活動にもチャレンジし、自らの可能性を大いに広げてください。

4年間の学びをとおして絶えず考えてもらいたいのが「生きるとは何か」ということです。特に本学の教育精神である「他者のために」ということの意味を自分自身でよく考え、自分のものとすることです。このように、本学部では、キリスト教の学びを自らの生き方とキリスト教の学びを結びつけ、いかに生きるかを考えます


2020年3月 卒業生に向けた学部長メッセージ です

希望のうちに力強く

今年度の卒業生・修了生の皆さんが最終学年を過ごした2020年度は、全世界がコロナによって振り回され、機能停止状態に陥った一年でした。ただ、完全な収束にはまだまだ程遠いとはいえ、新規感染者数も穏やかに減少する中で、長らく待たれていたワクチンの接種も少しずつ始まり、ようやくコロナ収束への微かなな希望の光が見えてきました。これはひとえに、コロナという未知の敵を前にして、全世界の人々が力を結集し、全力で問題解決のために奮闘してきたことによるものです
今後の人生の歩みの中で、皆さんも、大なり小なり様々な困難に直面することでしょう。ですが、どのような困難な状況にあっても、決して希望を失うことなく、問題解決のために全力を尽くすことで、一つひとつの困難を力強く克服していってください

(『上智大学通信』第450号[2021/3/26発行]より引用)