キリスト教信者ではないのですが、勉強する上で支障はありますか?

キリスト教信者でなくても基礎から体系的に学べるよう、神学・キリスト教倫理・キリスト教文化という3つの系によるカリキュラムを設けています。多様なバックグラウンドの学生がアットホームな雰囲気の中で学んでいます。

「入学試験資料」で神学部のいくつかの試験では「キリスト教に関する基礎理解」を問うとありますが?

キリスト教については高等学校の倫理社会や世界史で学ぶことは知っている必要があります。

その他にキリスト教に固有の思想、たとえば「隣人愛」や「人間の尊厳」、正義に基づく社会のあり方、遺伝子操作など生命科学・医学が投げかける問題などについて、日頃から関心をもって自分で勉強しておくと、神学部での勉強が実り多いものになります。

そして何よりも聖書、せめて福音書だけでも読んでおいてほしいものです。遠藤周作やドストエフスキーなどキリスト教思想を正面から取り上げた作家の作品を読んでおくのも役立つでしょう。

卒業後の進路は?

大多数の学生は一般企業に就職し、キリスト教の精神を生かして社会で貢献しています。神学生や修道女、中・高の教員となる学生は2割ほどです。宗教科の他に社会科の教員免許もあわせて取得できます。2割ほどの学生は大学院に進学します。

神学部の編入学試験は 11月と2月の2回あるとのことですが、募集する志願者に違いはあるのでしょうか?

上智大学の中では神学部だけが、編入学試験を2月にも実施しています。11月と2月に編入学試験をすることで、社会人などより幅の広い人々に神学を学ぶ機会を増やすためです。

しかし編入学試験の受験資格など11月と2月の試験では違いがありません。なお神学部では上智大学の中で唯一編入学の定員(8名)を設けています。神学は人生経験を経て後に学ぶと、若い時代には見えないような深い理解を得ることができるものです。社会人としての経験を積んで教会で奉仕しようと考えておられるクリスチャンの方々に是非チャレンジしていただきたいものです。

編入学を考えているのですが、2年間で卒業できるでしょうか?

1年次生から入学してくる学生は最初の2年間で基礎を学びます。編入学生は通常3年生に編入になりますから、1、2年の基礎の部分を急いで埋めなければなりません。そのため勉強はハードになりますが、2年間で十分卒業可能です。

ただし教員免許の取得を望むのでしたら、そのために課される科目数が決して少なくないので、2年間での卒業もがんばれば可能ですが、じっくり腰をすえて勉強するには2年では足りないと感じる学生が多いようです。

大卒(卒業見込みを含む)の場合、学部3年生に編入するのがよいのか、それとも大学院(修士課程)に直接受験するのがよいのか迷います。

大学での専門が神学に関連する分野(たとえば哲学、キリスト教文学など)であれば、直接大学院に入って、大学院での勉強をしながら、神学の基礎を1年くらいかけて補うという道もあります。

しかし専門が神学とは縁が薄い場合には、まず学部3年生として編入学して、神学の基礎を固めるようお勧めします。

神学の基礎理解のためにキリスト教の教義を勉強したいのですが、何かよい教科書のようなものはあるのでしょうか?

編入学志願者あるいは大学院(修士課程)志願者のかたでしたら、新要理書編纂特別委員会/編、日本カトリック司教協議会/監修『カトリック教会の教え』がよいかもしれません。かなり大部な書物ですので、その第一部(教義)だけでもじっくり読んでみられたら、まとまった知識が得られることでしょう。