教育方針(カリキュラム・ポリシー)

キリスト教の教理、倫理、文化を探求し 人間と社会の真にあるべき姿を問う。

  • 設立当初はカトリック教会の聖職者と宗教教育に携わる人びとの養成を目的としましたが、時代の変遷を経て、キリスト教的価値観や倫理観、キリスト教文化を学びたいすべての人に門戸を開いています。
  • キリスト教の倫理や文化の分野において、神学の基本的な理解に基づき、現代世界の諸問題を展望し、混迷する現代社会にあって堅固な価値観を身につけ、人間と社会の真にあるべき姿を模索します。
  • 日本で唯一のカトリック神学部であることから、カトリック司祭聖職者や信徒、宗教科教員の養成も重要な使命です。
  • こうしてキリスト教倫理・文化を身につけた教養人、国際社会に貢献する人材を養成します。

カリキュラム

1〜2年次

学科共通基礎科目

1~2年次は神学の基礎を学びます。旧約聖書、新約聖書を中心にキリスト教の歴史と倫理、教義学、神学と哲学との関係について学びます。

3年次

系の選択

倫理、教義学、神学と哲学との関係について学びます。
3年次から〈神学系〉、〈キリスト教倫理系〉、〈キリスト教文化系〉という3つの系のどれか一つを選んで、将来を見据えた集中的な科目履修を行います。

神学系

キリスト教教義学、教会史、司牧神学などを学ぶ科目群です
また〈神学系〉は大学院に進み、ローマ教皇庁認可学位(STB/STL/STD)が取得できます。神学の核心部分をじっくりと学びたい人に。

キリスト教倫理系

人間のいのちや社会正義などの分野をキリスト教的価値観に立脚して学びます。
キリスト教的教養を身につけた人の養成を目指します。
社会・公民の教職を目ざす人にも適した科目群です。

キリスト教文化系

思想・芸術、キリスト教文学や聖書の分野で、キリスト教文化の歴史的歩みと現代的意味を学びます。キリスト教的教養を身につけた人の養成を目指します。
社会・公民の教職を目ざす人、学芸員を目ざす人にも適した科目群です。

4年次

卒業論文

4年次で各自の課題を卒業論文としてまとめます。
卒業論文で成果をあげるため、指導教員の指導のもとに論文を執筆するほかに「卒論中間発表会」と「卒業論文審査口述試験」を課します。

宣教実務系

教会やミッションスクールで奉仕をしておられる人、神学のリニューアルをしたい人に学部の必修科目を別クラスで学んでから、カテキズム、聖書の基礎を深めます。
大学院(神学研究科・修士課程)の早期修了制度と合わせるなら、3年間で修士(神学)の学位が取得できるプログラムです。

選択科目


選択科目とは、勉学プログラムに応じて自由に選ぶ科目群です。全学共通教育科目やほかの学部・学科の科目や言語を選択することもできます。現代語学、ラテン語、聖書語学(ヒブル語、ギリシア語)、英語による実践キリスト教、他学部・他学科開講科目など、勉学の目的と関心に合わせて自由に選択して学習できます。

神学部ではこんな科目を学びます

自然科学とキリスト教

神学系

科学とキリスト教神学の対話から生まれる多様な可能性を、建設的な事例を交えて学びます。科学へのキリスト教本来のかかわり方や、科学と宗教が共同で担うべき課題についても考えていきます。

平和学

キリスト教倫理系

今、世界中で人々を苦しめている問題(戦争・内戦・テロ・病気など)を文献、DVDを用いて学び、「平和」とは何か、どのようにして平和な世界を築くことができるのかを考えていきます。

キリスト教文学Ⅰ

キリスト教文化系

キリスト教の伝統の中で生まれた日本と西洋の文学を通して、神学と文学の接点を探り、キリスト教的教養と信仰への理解を得ます。合わせて基礎的な文学の分析方法も身につけます。

カトリックとプロテスタント

神学系

ローマ・カトリック教会、プロテスタント諸教派、アングリカン教会といった教派の教義の相違点と類似点を見つめ、将来的な対話のあり方と相互理解を深めるための方法を考えます。

キリスト教の礼拝

神学系

キリスト教における礼拝の出現から発展の経緯、礼拝に使うシンボルについて学び、人間の宗教性と生活における儀式の必要性を学びます。キリスト教の美術・建築・音楽への知識も深めます。

終末論

神学系

終末について考えることは、人生の最終的な意義を考えることであり、宗教的世界観の核心を知ることにつながります。考えを深める中で、キリスト教における希望の所在を探っていきます。