キリスト教倫理系では、哲学、聖書、神学的人間論とともに、いのちの倫理、社会倫理を学びます。キリスト教的生き方に関心のある学生、とくに宗教科や社会科の教員を志す学生に勧められる系です。

キリスト教倫理・いのちの倫理

性の倫理竹内修一
人格としての人間にとって重要な位置を占める性について、キリスト教の観点から考察します。テーマは、いのちの尊厳、方法論とその源泉(特に聖書)、性と結婚、性差と性的志向、性と暴力です。
倫理神学の諸問題竹内修一
第二バチカン公会議(1962-65年)を経て大いに刷新された倫理神学は、人格中心のアプローチをとります。その特質を公会議の公文書『現代世界憲章』、教皇ヨハネ23世の回勅『Pacem in terris』を精読しつつ確かめます。
パストラル・ケア武田なほみ
将来、教会や学校で「魂への配慮」に携わることを考える学生を主な対象として、①パストラルケアの神学的基礎、②私たち自身の他者や世界とのかかわり方、神とのかかわり方に対する気づき、③キリスト教信仰及び人間観に基づく援助的なかかわりの基礎を学びます。
倫理と霊性片山はるひ
キリスト教を生きることが「霊性」ですから、倫理と切り離すことは不可能です。倫理と霊性を統合し、自らの生き方を構築する基礎として①人間の宗教性、生きる意味の問題をテーマに、フランクル、神谷美恵子などの著作に学びます。また②霊性における「祈り」を中心に学びます。
ボランティア論漆原比呂志
米国と日本における組織的なNPO活動をワークシートを使って分析したり、学生のボランティア等の体験事例を「体験評価のものさし」で分析したりします。ボランティアの例は、福祉、学校教育など公的なものはもちろん、現地民間企業とタイアップした海外ボランティア、大学地元でのパティシエ修業から、インターンシップを応用した民間企業ANAでの体験まで、圧倒的な幅広さでボランティアや社会的活動の可能性を広げて考えていきます。

キリスト教倫理系・社会倫理

道徳哲学HAIDAR, Juan
聖書の道徳観と現代の道徳観の比較から出発して、現代の道徳的チャレンジに対する答えを探すのがこの講義の目的です。現代の道徳観の背景にある哲学的思想、特に現代ユダヤ教思想を代表する哲学者を紹介します。
カトリック社会思想小山英之
今日世界の直面する人類共通の諸課題―環境保護、平和の促進―に対するカトリック教会の考え方、アプローチの仕方を、『教会の社会教説概要』(教皇庁「正義と平和」協議会刊)、関連する教皇回勅などに基づき理解を深めます。
民族関係論小山英之
今日の世界を理解するのに不可欠なエス二シティーに関して、民族紛争、移民、難民、多文化主義、ナショナリズム、紛争と宗教との関係などをテーマに考察します。
平和学小山英之
「平和」の反対は、「戦争」ではなく「暴力」と捉え、「暴力」とは何か?という理解を土台として、今日人類が直面しているテロリズムや環境破壊を視野に入れて、いかに世界の人びとが連帯して自然環境との調和のうちに生きていけるかについて包括的に考察します。
キリスト教とコミュニケーションFIRMANSYAH, Antonius
エウカリスチア(聖体の秘跡)について典礼神学の視点から考察します。テーマは①第二ヴァチカン公会議の典礼刷新、②カトリック教会における典礼の象徴的な対話の本質、③エウカリスチアにおける対話的な要素、④典礼的な対話とそのメディアです。
経済・経営の倫理PUTHENKALAM, John Joseph※※
世界規模で行われる経済活動において、人間尊重という価値観を基盤に、国際的視野をもって、21世紀に向けてのビジネスのありかたを学習します。具体的には、経済経営活動に必要な労働者、資本、技術、ミクロ&マクロ知識を分析し、新経済秩序のもとで国際機関・多国籍企業の責任、第三世界と先進諸国間の経済活動についても研究します。
アイルランド研究B小山英之
平和学の事例研究として、北アイルランドで生活する様々な人々に対するインタヴュー集を読みながら、対立する人々の異なる経験、見解を理解することを通して、北アイルランドの人々の紛争から和平への苦難の道程を探ります。

キリスト教倫理系・基礎科目

基礎科目として、他系の科目群から選択できます。

哲学倫理学Ⅰ、Ⅱ 人間論Ⅰ、Ⅱ 古代哲学史 中世哲学史 近世哲学史 キリスト教と哲学Ⅱ
倫理神学キリスト教倫理Ⅱ
神学神と人間Ⅱ 終末論
聖書聖書と倫理 モーセ五書 預言者 詩編と知恵 福音書